ただ愛で在る

被虐待経験から究極の愛を学びました。善悪を超えたあらゆる愛について、気づいたことをありのままに綴ります。

ぜんそくが教えてくれたこと7

重度のぜんそく患者だった私は、現在、一切の薬を摂っておらず通院もしておりません。

ぜんそくの症状である呼吸困難、胸痛、胸の圧迫感、絶え間ない咳などから解放され、健康を取り戻しています。

ささやかな私の体験談が、どなたかの希望になることを願ってやみません。




それでは続きにまいります。


夫の運転に頼り、はるばる遠方にある小さな鍼灸院へと向かうことになりました。
帰宅時間の見当がつかなかったので、ごはんやお水を持って、まだ6ヶ月だった雪乃も一緒に連れて行くことにしました。


長いドライブを経て予約時間の30分前に到着し、私だけが鍼灸院に入りました。
夫と雪乃には、お散歩や食事をしながら外で待っていてもらいました。



高校生の私が訪れた当時、鍼灸院はご夫婦で営んでいて、助手と思しき女性がいらっしゃいました。
私は助手の女性から全身マッサージを受けた後に、奥様から針をうっていただいたので、お2人にお目にかかるのを楽しみにしていたのですが、奥様は難病にかかって引退なさり、現在は自宅療養されているそうでした。

鍼灸師のご主人と女性は、一度きりしか伺わなかった私のことを、なぜか詳しく(私が忘れていることまで)思い出してくださいました。


鍼灸師には、ぜんそくの状態や、手術をためらっていることなどを伝えました。
前回の奇跡もあったので私は針を希望していましたが、鍼灸師の判断で今回はマッサージと指圧を受けることになりました。


施術を受けながら色々な話をするなかで、小学校高学年のお孫さん(当時)もぜんそくだと伺いました。
彼の見立てで、
「あなたは全くアレルギー体質ではないようです」
「アレルギー体質の人はこういう身体をしていません」
と、おっしゃいました。


実際ぜんそくには、様々な要因がありアレルギーと無関係なことも多いのですが(小児は除く)、基本的にアレルギー科(または呼吸器科)を受診しなければ、最新のぜんそく治療は受けられません。

私は2つの病院しか経験がありませんが、ぜんそく患者はアレルギー体質という前提で治療が進められていると感じました。
医師に直接、スギとヒノキ花粉症以外は何のアレルギーも感じないし困っていないと伝えても、どちらの病院でも時期にかかわらずアレルギーを抑える薬が処方されていたからです。

それまではこちらがどう伝えても、あなたはアレルギー体質だと医師に言われてきたので、鍼灸師の見立てを聞いて、嬉しくてこっそり涙ぐんだのを覚えています。


その頃の私には、大きな悩みがありました。
今後、仕事を続けて行けるのだろうか?という問題です。

2度目の休職に入ってからは、このことで連日、頭が沸騰するほどに悩み続けていました。

10年勤める内には大変なことがありながらも、学びが多く楽しくて、一度も辞めたいと思った事がないどころか「この仕事は天職」とまで思っていたからです。


9ヶ月の間に2度もの長期休職をして、未だ回復の兆しさえ見えない現状。
仮に、気管支サーモプラスティ治療が成功したとして、複数の薬を使用しても効かない重症のぜんそくから解放されたとしても、ぜんそく自体は治らないため、同じように薬を摂り続ける生活を一生続けるという現実。


やりがいのある仕事を手放して、手術のあとは身体に負担のかからないという動機で選んだ仕事を細々としながら、いつ来るかわからない大発作に怯えつつ、死ぬまでぜんそく患者として生きていく未来を想像してみても、まったく明るい気持ちになれませんでした。


どうしても仕事に復帰したい、でも実際には以前のように働けない…悔しい!なぜ!?なぜこんなに薬が効かない?このままでは仕事どころか何もできなくなるのでは?とにかく仕事は辞めたくない!でも身体が悲鳴をあげている!このままではいけない!どうしよう?どうしたらいい?本当はどうしたい?
出口が見つからず、混沌とした思考だけが高速回転しているようで、考えるほどに目がまわりそうでした。


私は思いきって、この鍼灸師に悩みを話してみました。


このあとに彼からいただいた言葉により、ついに私は仕事を辞める決断をすることになります。





8に続きます。